月別アーカイブ: 2007年12月

大晦日


一年の終わりの日の今日になって、やっぱりという感じで大雪となりました。
お稲荷さんに頼まれて、冬将軍が待っていたのでしょうか・・・。
そう思えなくもないほど絶妙なタイミングで、今朝はもうすべてが白銀の雪の下に隠されてしまいました。
美しいものも不浄なものも、すべてを雪の下に封印して春が来るまで、人の心を否応なく内省へと向かわせる雪国の冬が、私は好きです。
本当に正直、今朝は嬉しかったです。
遠い南国の郷里で、私のブログを見てくださっている方々のために、今朝の雪の風景の写真を撮りました。







この雪の中で、自動車が表の道路に出られるようにするのにも、小一時間かけて雪かたし(片付けの意)、何をするにも雪に手をとられ足をとられ思うようにならなくて、かえって覚悟が決まってしまいます。
妙に心が落ち着いているのは、仕事が休みのせいばかりではないのです。

さてこの一年、世の中は平和だったかと言えば決してそうではなく、嫌な事件、悲しい事件、憤慨に堪えない事件の数々ばかりが記憶に残ります。
そんな騒然とした世の中の片隅で、とりあえずも大過なく気持ち良く過ごすことが出来たのは、いただいた数々の貴重なご縁と出会った方々からいただいたご厚意によるものと、深く感謝申し上げます。

どうぞ来る年が、どなたにとっても前途洋々たる素晴らしい一年でありますように・・・、そう願いつつ私も、新しい年を迎えることといたします。

  追伸 
そば打ち大成功。
かくして、終わり良ければすべて良し。
ありがとさま。

この一年の感謝を・・・。


我が家は借家ですが、家の裏手の広い敷地の中にお稲荷さまが奉ってあります。
頼まれたわけではありませんが、私は当初からこのお稲荷さまには、出来る限りのお世話をしています。
年に二回、春と秋の終わりには清掃をして落ち葉を焚き、煙を立ててお浄めをします。
今年は何かと忙しくて、秋のお努めが年末になってしまいましたが、幸い降雪が遅れ、お稲荷さまも待ってくれているという気がしましたので、やっと今日は約束が果せたという思いです。
実は昨日のうちに、娘たちが大方清掃を終わらせてくれていましたので、今日は搗いたばかりの餅を供え、濡れていた落ち葉に何とか火を点けて、少しの間でしたが煙を立ててお浄めをすることが出来ました。
こんなことをして、でも信仰とは何の関係もありません。
私は、人間以外の全ての者に対して、人間と同様あるいはそれ以上の敬意を払う気持でいると、ただそれだけです。
そしてこのお稲荷さまが、この敷地と家とそこに住まい暮す者のことをとても気にかけているということを、素直に理解出来るのです。

さて、おかげさまでこの一年もどうやら無事に終われそうです。
餅つきも例年通りきれいに搗き上がり、とくに今年はお供え餅が上手に丸まったのでとても満足しています。
パン屋でも、正月だけは餅にこだわります。





そして明日は、恒例のそば打ちです。
今年は、ある方からそば粉100%で上手に打てる秘訣を教わりましたので、試してみようと思っています。
それが上手く行けば、終わり良ければすべて良しの言葉通り、良い一年の終わりを迎えることが出来ます。

あと一日、皆さまへのご挨拶は明日に。

去年の今頃

去年の今頃は、ブログを始めていませんでしたので、どんなだったかなと思い出しています。
大体ここ数年来、食工房の仕事は28日までで、30日に餅つき、31日はそば打ちと決まっています。
それでもう一つ思い出しましたが、一年前の昨日(28日)に、カネリプッラの初試作をしています。
インターネットで検索して知った「かもめ食堂」のシナモンロールの画像や、実際につくった人のブログなどから見当をつけて、とにかく一回やってみようということで焼きました。
初作は、今製品になっているのより二回りくらい大きいサイズで、とびきり食べ応えがあって、いくら何でもデカ過ぎると思ったものです。
その後、「かもめ食堂」のDVDを見て何度か試作を重ね、今の食工房のカネリプッラになっています。
さて、年末のほんのニ三日間ですが、食工房の本業を置いて、餅つきやそば打ち、おせち料理などと、けっこう朝から夜まで忙しく過ごします。
ボーっとしていればいいようなものですが、そうはしていられない性格だってことですね。
外で買った餅など食えない!とか、年に一回そばくらい打たなくちゃとか、おせち料理も連れ合いと共に全て素材から手づくり・・・、実はそうやって楽しんでいます。

明日は餅つきをして、家の裏にある屋敷稲荷の清掃と奉納を執り行います。
雪の予報が出ている折から、どういうことになるでしょうか。
食工房は、明日30日までで本年の営業を終了いたします。
新年は、1月10日から営業いたします。

おっと、忘れていました!
我が家は、年賀状をお正月になってから書いています。
大体いただいた方へのお返事になってしまっています。
例年、食工房からは特に新年のご挨拶は差し上げておりませんので、ご了解ください。

機械の手入れ


人間が何もしなくて良いのが機械だと・・・、そうは行きません。
機械というものは、意外に世話が焼けるものなんですね。
でも、その辺は私の一番得意とするところなので、本業と違って気楽に楽しんでやっています。
モノづくり商売は、道具や機械が生命みたいなものですから、そちらも込みでモノづくりの技術だと考えた方が、無理がないと思います。
高価な機械を、それもやっとの思いで中古で手に入れて使っているわけですから、手入れをサボって壊してしまったら、それこそいくら悔やんでもどうにもなりません。
今日は、年内最後の製造仕事を終わらせた後、一部の機械の手入れをしました。
一番よく使うパンこね機(ミキサー)の各所に、グリースや機械油を補給し、空回しして十分に油を馴染ませました。
日常的にも必要なところには油を注していますが、今日は点検を兼ねて掃除をしながら、いっそう念入りにやりました。
何と言っても、人手の何倍もの仕事をするわけですから、各部分品には相当な負担がかります。
当然消耗するパーツもあるわけで、それを長持ちさせるためにも、適切な使い方と手入れが肝心です。
そして、これは私だけの感じ方かも知れませんが、機械と言えど人の気心が通じるような気がします。
愛され大切に扱われる道具や機械は、人の信頼に応えて良い仕事をするものだと・・・、まずこれは間違いありません。
そしてもう一つ、道具や機械を大切にする者は、悪い仕事は出来ないと・・・、それも本当です。

パン屋が増えている!?

以前、パン屋になりたい女性が多いという記事を書きましたが、今すでに、パン屋はどんどん増えているらしいですね。
それも、個人経営で始める小さいパン屋が・・・。
私的には、小さいパン屋が増えるのはいいことだと思います。
ただし、大企業製パンメーカーが無くなって行くならという条件付きです。
でも現実は、大企業製パンメーカーも必死でシェアを伸ばそうとしていますから、このままでは、否すでに、供給過剰になっているのじゃないかと思います。
これでは、否応なく厳しい競争になりますね。
この間、競争しないで生き延びる方法を探っているという話しをしたばかりですが、どこかに勝ったり負けたりするというのでなく、自分ところの存在価値だけで必要最小限の商売が続けられれば、私としては十分です。
他のパン屋さんたちがどのように考えるのか知りませんが、窺い知る限りでは、うちと同じように独自性に訴えようとしているところが多いみたいですね。
そういう意味では、やっぱり競争になってしまうのかなと、少々複雑な気分です。
こうなったらもう、コツコツと食工房のオリジナルづくりに専念して、あとはお客さまの評価に委ねるしかありませんね。



「会津のこだわり食材100選」の一つに、食工房の堅焼き黒パンが選ばれました。※工房の様子を紹介した、DVDビデオもあります。

今までに何度か、有名シェフのディナーに使っていただき、司厨士会関係者の方々にもご高評をいただいています。

コーヒー好きはクセになる・・・?


結論から言えば、やはりクセになると申し上げなくてはならないでしょう。
それが、成分の一つのカフェインのせいだけかどうかは分かりませんが、カフェインについて言えば、これは劇毒物に該当するものですし、中毒や依存症のリスクはあります。
もっとも、コーヒーのカフェイン含有率はお茶に比べても低い程度のものですから、コーヒー好きがクセになると言っても、アルコール中毒のような悲惨な結末を迎えることは、多分あり得ません!
まあ、何事によらず言えることですが、クセになると言っても中身が問題です。
きついストレスを紛らわすために、濃いコーヒーを一日に何十杯も飲むなどというのは、決して感心できる話しではありませんね。
コーヒーは嗜好品なのですから、嗜むこと全てが楽しみの内に終始しなければ、意味が無くなってしまいます。
どうぞ皆さんも、コーヒー好きをご自分の良い嗜みだと、自慢出来るようなコーヒー好きになっていただきたいと思います。

  再び、ネパールコーヒー
コーヒーの本場の中南米、コーヒーの出所と言われる東アフリカ及びアラビア半島、これら名の通ったコーヒーどころのコーヒーとは、ちょっと違った個性を持っているのがネパールコーヒーです。
栽培の歴史は比較的新しく、途中で廃れかけたこともあり、知名度はほとんどありません。
しかし、素晴らしい紅茶を産する地の気候風土が育むコーヒーは、なかなか個性的で一度飲んだら忘れられない風味です。
一言で言えば、軽やかで繊細です。
鋭い、しかし後味に残らない苦み、フルーティーでいつまでも口に含んでいたい心地良い酸味、どこかお茶の雰囲気を感じるのは、多分私ばかりではないと思います。
食工房では現在、アンナプルナ(豊穣の女神の意)という銘柄を取り扱い中です。
ぜひお試しください!
※認証はありませんが、無農薬有機栽培されているものです。

クリスマス

今日は、クリスマス。
クリスチャンの家庭に生まれた私は、生まれてすぐに幼児洗礼を受けさせられましたので、一応クリスチャンということになりますが、大人になってからは信仰には関心がなくなり、結婚した時も教会で式を挙げるということはありませんでした。
その後、「神も悟りも、一人一人の私の中にあるもの。」と、生意気なことを言っていたこともありますが、初めての子が生まれた時その顔を見て、素直にこれは神さまだと思いました。
以来どの赤ちゃんを見ても、私には神さまに見えるのです。
神さまの世界からやって来て、人間の子に育って行くことに奉仕出来る「親」という立場は、何て幸せなんだろうと思ったものです。
科学が進歩した現代にあっても、人間は何もないところから、虫一匹の生命を創り出すことは出来ませんが、一人の人間の生命を産み出すことだけは出来るのです。
これが奇跡でなくて何だろう!と思わずにはいられません。
クリスマスは、キリストの誕生日であると同時に、すべての人の子の誕生を喜ぶ日でもあると、私はそう感じています。


静かに過ぎて行く一日


一昨日までとは違って、今日はもう一転して静かな一日になっています。
本当は、在庫切れになっているクッキーを焼いたり、いろいろやることはいっぱいあったのですが、電池切れになってしまいました。
そう、ほぼピッタリと使い切りました。
そういうわけで本日は、これといった仕事をしませんでした。
午後予定していた「カフェクラブの集い」にはお客さまが2名だけでしたので、私たちも同席させてもらって一緒にお茶会を楽しみました。
「ここは街の喧騒とは全く無縁の、別な時間が流れているようだ。」と幾人もの方が仰るのですが、今日は、いつもここに居る私自身もそれを感じました。
ゆっくりと、コーヒーや紅茶と一緒にシュトレンや星型パイなどを食べながら、おしゃべりして過ごしました。




夕方暗くなって間もなく、東の空に丸い月が上って、葉を落とした木の枝にかかっているのが見えました。
どんなに良く出来たクリスマスイルミネーションよりも、ずっと気の利いた計らいを、自然はしてくれるものですね。
かくして一日の終わりが近づき、この後は少しボーっとしたいと思います。
明日は、各方面へ支払いがあり、また思いっきり現実に引き戻されます。

菓子づくりはアート


開演を待つ楽器たち


昨夜は、駅カフェでクリスマスイベントがあり、食工房の焼き菓子を使っていただけるということで、お手伝いに行って来ました。
そして、多勢の方にご来場いただきましたこと、改めてこの場を借りて一言お礼申し上げます。
私は昨夜は、フェアリーランドのお二人の演奏を聴きながら、菓子づくりと音楽は共通するものがあると思いました。
どちらも、人を楽しませることが大切な目的なんですね。
お菓子は、食べ物の中では決して必需品というわけではありません。
甘いお菓子で虫歯になったり病気になったり、害になるということも無いわけではりません。
でも、なければ寂しいと言うか、味気ない人生になってしまうと思います。
お菓子には、心の満足という大きなテーマがあると、いつも思っています。
つくり手のセンスとか込める気持がまず何より、そして技術ももちろん大切です。
そういうところが、歌や楽器の演奏と似ているなと思うのです。
料理はアートと言う人がいますが、菓子づくりはそれ以前にもっと、アートの色合いの濃い仕事だと思います。
昨夜は、皆さんにはどのくらい満足していただけたでしょうか・・・。
その結果は、これからしばらくするうちに現れてくるのだと思っています。

そうそう、忘れないうちに付け加えて置きます。
この大切なセンスや込める気持の大部分は、私よりもむしろ、一緒に仕事をしてくれている娘たちや連れ合いの方にあるということを、どうぞ皆さん、覚えておいてください。
そのおかげで私は、自分の仕事に楽しみをもらっていると思っています。

  食工房のホームページ
食工房のホームページは、今のところ見栄えもしないし、私の思うような体裁にもなっていなくて不満なのですが、Googleをはじめあちこちの検索サイトで、「食工房」の一語でトップか上位に出て来ます。
正直申し上げて、何の努力もしていません。
それなのに、どうしてこんな私にとって良い結果になっているのか、この頃やっとわけが分かるようになって来ました。
先ずは、食工房へのリンクを貼ってくださっているサイトの運営者の方に感謝をしなくてはなりませんね。
そして、検索サイトのシステム自体も一役買っていると思います。
せっかくここまで来た食工房のホームページですから、大切にしようと思っていたら、その思いが通じたのか、使っているウェブホストのサービスが、来年早々から大幅に改善され、ほとんど制約のないページ製作と運営が出来ることになりました。
皆さん、どうぞ新しいshokuko.comをお楽しみに。

冬至

今日は、冬至です。
明日からまた少しずつ日が長くなります。
雪も寒さも、まだまだこれからですが、何か気持が違っています。
春は確実に約束されていて、必ずやって来ます。
だから、冬至を祝って裏切られることはないのですね。
世界中に、冬至を祝う慣わしがあります。
皆さん、よかったら今夜は空を眺めて見てください。
お天気が良ければ、大きさを増して満月に近づいた月が中天にかかり、下界を明るく照らしているはずです。
この前お話しした、月光白夜です。

さて、おかげさまで忙しさのピークを越えました。
明日は、ずっと楽になります。
今日は、これから駅カフェに出かけます。
イベントのお手伝いです。
素敵なライヴを聴けます。
楽しみです。
冬至にふさわしい夜になりそうです。