月別アーカイブ: 2007年11月

酵母で実感する寒さ

今日は、穏やかな晴天のうちに一日が暮れました。
寒さも、それほどに思わず楽に過ごせましたが、実際には確実に寒くなっています。
先日、雪が降った日の前後の寒さで焼きが入ったと見えて、自分の体の方は寒さに順応しているのですが、酵母の醗酵やパン生地の醗酵がここ一週間遅れ気味でした。
温度計を使って細かく見て行くと、水道の水温、作業場の気温、それに伴う道具や機械類の温度など、全てが低くなっていました。
そして保温の際の立ち上がり時間も、少し前と比べても全然違って長くなっていることも分かりました。
こういうことは、人間の感覚だけでは見落としてしまう変化ですね。
何度も言いますが、酵母菌は本当に正直です。
明日はまたパン焼きの日で、今日から酵母の培養にかかっていますが、夏なら冷たい水で良いところ、40℃の温湯を使いなお且つ、容器ごと湯せんして温めながら粉を混ぜました。
そう、粉の温度もずっと低くなっているのです。
そうやって細かく対応したおかげで、今回はまた醗酵の勢いを回復したようです。
明日はパンの他に、シュトレンを36本焼きます。
いろいろ品切れ続出しています。
申しわけありません。

  パンだより印刷版、編集が遅れています。
まだ、明日あさっての内にというわけには行かなさそうです。
追ってまたお知らせいたします。

さて明日から12月です。
年末まで、風邪をひいたりしないよう、厳しく自己管理して仕事をこなさなくてはなりません。
健康法のこと、折を見てまた触れたいと思っています。
どなた様も、くれぐれも体調に気をつけてお過ごしください。

月光白夜

冬至の前後、冬の太陽は南の低い位置を移動して行きます。
一方、月は満月が近づくにつれ、真夏の太陽のように中天高く上って行きます。
北国では、早い時間に日が暮れたすぐ後を追いかけるように月が出て、夜更け方、雪に覆われた大地を明るく照らします。
色彩を失って、全てがモノトーンに青白く見える「月光白夜」、それは見る者の心を宇宙の彼方へと連れ去ります。
山暮らしをしている頃、私は幾度となく、真冬の夜半のその情景を目の当たりにしました。
ここ会津でも、運良く晴天なら見られるはずですが、雪国の冬の夜は曇っていることが多いので、滅多にお目にかかれません。
ところで、冬の北欧のそれも北極圏に行けば、24時間ずっと満月が地上を照らす、正真正銘の「月光白夜」が体験出来るはずですね。
北欧の冬も、ただ暗いばかりではないはずなんです。



さて、そんな雰囲気をそのまま音楽にしてしまったようなCDをご紹介しましょう。
今、うちの娘たちが、そして私も、すっかりはまってしまっています。
アルバムのタイトルは、Etsijä(エツシヤ)、フィンランド語で、「求道者」と訳せます。
歌っているのは、フィンランドの人気歌姫4人組、Suden Aika(スデンアイカ)直訳すれば、「狼の時間」。※ただしこれには深い意味がありそう・・・。
私がいろいろ申し上げるのはこのくらいにして、Suden Aikaのホームページを紹介しておきます。 リンクは <こちら> 試聴も出来ます。写真がとても美しい!
  
  おことわり

明日から2、3日、ブログを休みます。

小春日和


ちょっと時期的には冬に入ってしまっていますが、今日は朝からポワーッと暖かく、空には雲もなく「小春日和」、こちらの方言では「いいアンバイ」の一日でした。
ちなみに「小春日和」とは、秋が終わり冬を迎える前の束の間におとずれる、穏やかな晴天のことを言います。
西洋では、「インディアン・サマー」と言うそうです。
とは言え店の前には、先日降って屋根から落ちた雪が残っています。
その一方で今朝の空気は、本物の春がやってくる時の匂いがしていました。
何だか気候が入り乱れて、変な感じと言えなくもありません。
今日は昨日と違って、お客様は間をおいて一人二人という感じで、静かに過ぎて行きました。
「カフェクラブの集い」は、若干お一人のご参加でしたが、その分集中的にいろいろなブレンドを試していただき、あたらしいテイストを発見したり、有意義なひと時になりました。

  作品展終了御礼
会津若松市内のギャラリー「和」にて、20日から今日まで開催の「ハンドワーク・森の風」会津で暮らす仲間たちの作品展は、おかげさまで無事終了いたしました。
沢山の方にご来場いただきましたこと、この場を借りて御礼申し上げます。

酵母に合せてする仕事

先日雪が降った日、急に寒くなったため、酵母の温度管理とタイミングを誤り、醗酵状態が若いうちにパンをこねることになってしまいました。
こういう時、酵母は本当に正直で、いつもの時間内に醗酵が進んで来ません。
経験が浅かった頃は訳が分からず、今日は調子が悪いなと思いながら出来の良くないパンを焼いて、売り物にならないということもありました。
最近ではもう、そういうことはありませんが、今日は予定より1時間半くらい遅れて焼き上がりました。
醗酵が遅れて待っている間も、しっかり勘を働かせて油断しないように生地を見張っていなくてはなりませんので、今日は何だか間延びした変な疲れ方です。
いつもの定番のパンを一通りの他、シュトレンも焼いたのですが、こちらは3時間以上遅れてしまい、全工程終了は午後9時前になってしまいました。
自家培養酵母を使っていると、こういうトラブルが時々あり、それがきっかけで逆に酵母への理解が深まります。
望んで得られぬ、良い勉強の機会だと思っています。

  寒さ緩み、来客多数

本日の食工房は、午前中から来客が相次ぎました。
今年春、夏と続けて、バイクでツーリング中立ち寄ってくださったご常連の方が、はるばる東京からお仲間と一緒に5人連れで訪ねて来てくださったのを皮切りに、グループで、ご夫婦で、何組か来客が続きました。
ところがこういう時に限って、クッキー類は大方品切れ中、パンも最近売れ残り気味で仕込を控えていたため、夕方までには売るものが無くなってしまいました。
うまく行かないものですね。

  「ハンドワーク森の風」
会津で暮らす仲間たちの作品展

いよいよ明日、11月25日が最終日です!
午後から作者たちが続々集います。
ぜひご来場ください。
詳しいご案内の記事へのリンクは <こちら>

値上りし続ける材料費

ここ数年間、パン菓子用の原材料価格が値上りし続けています。
特に、オーガニックのドライフルーツやナッツ類は、毎年のように価格更新で値上りが続いており、いよいよ製品の価格に反映させるしかないところまで来ました。
これらドライフルーツ、ナッツ類は、来年に入って間もなく20%前後の値上げになる旨、通知が来ています。
この他、バターも品不足で高値傾向ですし、砂糖もじわじわ値上げが続いています。
石油価格の上昇により、遠い国から運ばれて来る輸入品は、今後輸送コスト上昇の影響をまともに受けて、一段と高くなりそうな気配です。
製パン最大手の山崎製パンが、製品価格を上げたニュースは記憶に新しいところですが、国産小麦の価格にもいずれ影響してくることは、多分避けられないだろうと思っています。
小麦をめぐる農業政策上のしくみは、以前申し上げたとおりです。 <参照>
そのようなわけで、来年は早々から今までの製品価格を維持出来なくなるのではないかと、心配しているところです。

  収穫祭
今日は、ここの集落の収穫祭がありました。
仕事が休めず、私たちは不参加で失礼しましたが、午前中、バザーに寄付するためにシナモンロールとスコーンを持って集会所に行くと、多勢で準備をしているところでした。
感心するのは、男性はほとんど全員、そば打ちが出来ることです。
今日も、会館の講堂にのし台をいくつも並べて、皆さん自慢の腕でそばを切っていました。
そして奥さま方は調理室で、そばの下地と言って、鶏肉やごぼうなど具を沢山入れた汁をつくります。
外では、にわか作りの大カマドに火を焚いて大釜に湯を沸かし、そばが打ちあがるのを待っています。
そばが茹で上がると、水にさらして大ザルに上げ、集会室に運んで行きます。
そうやって出来たそばを椀にとり、熱い汁をぶっかけてすすりながら、酒を酌み交わすわけです。
およそ素人とは思えない、そば粉100%の見事なそばを、腹一杯堪能するまで食べられます。
ちなみに、こんなことを書けるのは、以前すでにごちそうになっているから・・・。
来年は、段取り良く仕事を片付けて休みをとり、ぜひ参加したいものです。

  誕生日
11月23日、今日はまた、末娘の誕生日でした。
本当に忙しい合間に上の娘が、ラ・フランスのジャム入りパイをつくってくれました。
何もなしじゃあんまりさみしいと・・・。
明日はまたしても殺人的に忙しくなるのは間違いなし・・・。
せめて今夜は、おいしいパイを食べて16歳の誕生日を祝ってやりたいと思います。



オーソドックスな丸型パイ


フィンランドの星型パイ

一夜明ければ銀世界・会津雪便り



昨日の午後から断続的に降った雪、今朝の店の前の様子です。
この一降りで、もうすっかり覚悟が決まって、頭も体も対応しているから不思議です。
雪は、降って来る直前は、何となく心細い感じがするのですが、積もってあたりが真っ白になると、何だかにぎやかな心踊る感じになるのです。
今日は忙しい一日でしたが、とても気分良く仕事をしました。
そして明るいうちに配達に出て、新しいタイヤの走り心地を試したかったのですが、夕方までに道路の雪は消えてしまい、凍結もしていませんでしたので、普段どおり走れて拍子抜けしてしまいました。
冬支度が遅れた方は、この雪の思いがけない速攻に焦ったみたいですが、聞いた話では、昔は雪の降り出しはもっとずっと早くて、10月に稲刈りが終わる前に稲穂の上にどっかと雪が積もって、大弱りしたこともあるそうです。
ちょっと想像しただけでも、これはいかにも骨の折れそうな難儀ですね。




そして今は、採る人もない柿の木がそこらじゅうにあって、鈴なりの柿の実の上に雪が乗っています。
でもこれは、見ている分には綺麗だし、何か可愛いなと思います。

明日は、勤労感謝の日。
ここの集落では「収穫祭」があり、集会所で盛大に宴会をやることになっています。
本来、何をしている人も仕事を休む日のはずなんですが、注文を沢山抱えて尻に火がついている状況なので、私も家族も休みが取れません。
バザーをやるそうなので、パンと焼き菓子を寄付してくるのだけは、何とかして果そうと思っています。

コーヒー嫌い


コーヒー商売をしていると、「私、コーヒーダメなんです。」とおっしゃる方に時々出会います。
何かの理由でコーヒーを飲まない、体質的にあるいは嗜好的にコーヒーを受け付けないなど、コーヒーをおすすめするわけに行かない方がいらっしゃるわけです。
ところでそんな中に、「コーヒーの香りだけは好きなんだけど・・・。」という方もいらっしゃるのです。
私の親しい知り合いの一人は、以前は「コーヒーは、苦くて不味くて、砂糖とクリープをどっさり入れないと口に出来ない。」と言う人でした。
でも香りだけは好きで、私がコーヒーを入れていると、「匂いだけ嗅がせて。」と近づいて来たものです。
そんなら一口とすすめてみますが、首を横にふるばかり。
それがある時、良い香りが漂い、まわりの人があんまりおいしそうに飲んでいるものですから、ちょっとだけごちそうになってみようかなと、初めて手を出してくれました。
コップの底から、わずか5mmか1cmくらい注いで試してもらいました。
もちろん、砂糖も何も入れないブラックコーヒーです。
以来この人は、少しずつ私のコーヒーを飲むようになり、コップに1/4が半分に、やがて1杯になり、ついには「もう1杯もらえる・・・?」とお代わりを所望するほどのコーヒー好きになりました。
でもずーっと、私のコーヒー以外は飲めないと、嬉しいことを言ってくれますので、時々おみやげにコーヒー豆を渡すと、「いいの?」と言いつつ嬉しそうに受け取ってくれたものです。
それで私は思うわけです。
こんな風に、本来はコーヒー好きの素質があるのに、何かのきっかけで不味いコーヒーを飲んでしまって、それ以来コーヒー嫌いになっている方が、きっといるのじゃないかと。
だとしたら、コーヒー商売している者は、油断しないでいつもおいしいコーヒーを飲んでいただけるよう努力していなくてはならないということですね。
もし不味いコーヒーを飲ませてしまったら、コーヒー業界全体の損失だというくらいに考えてやって行かなくてはいけないのじゃないか、そんなことを思いながら、今日も焙煎作業をしていました。

  雪です!
今日は、午後になって雨が雪に変わり、この冬初めての本格的な降雪となりました。
その少し前の時間に、免許取り立ての娘に、タイヤ交換の練習を兼ねて、冬用タイヤへの付け替えをやってもらいました。
何しろ細身で、手先は軍手がブカブカの可愛い手なので、タイヤレンチやナットを回すのにもえらく苦労していましたが、雨の中で頑張って、私が手本に交換した1本を除く残り3本を交換してもらいました。
その直後から雪になり、絶妙なタイミングでした。



夕方、前の道路を大型の除雪ローダーが、待機場所に向かって走って行きました。
いよいよ会津も雪のシーズンです。
いっぱい雪が降ったら、でっかい雪ダルマを作ろうかなと思っています。

モミの木


   山のクリスマス



山暮らしをしていた時、家のまわりの山に自生している木々の中で、針葉樹と言えばモミでした。
杉やヒノキは整然と植林されて固まっていますが、モミはあちこちに点在するように大木が育ち、あたりには幼木が沢山生えていました。
広葉樹は、どれも下のほうから枝分かれして、樹形は大きく広がっていますが、モミは幼木の時からどこまでも真っ直ぐ上に向かって伸びて行きます。
幾何学的な枝や葉の付き方に、私はいつも、目に見えざる者の意志を感じていました。
私はこのモミの木が大好きで、よく写真を撮っていました。
幹の直径が1.5m以上もありそうな大木があり、その下のあちこちにつま楊枝よりもずっと細い実生が育っている風景は、その場にいるだけで胸が熱くなります。
そしてクリスマスの頃初雪が降り、翌朝、裏山に行って見るとご覧のとおり・・・、こんなに気のきいたプレゼントはありませんね。
我が家で一度だけですが、裏山からモミの幼木を根ごと掘り出して家の中に仮植し、クリスマスの飾り付けをしたことがあります。
終わったあとは、また裏山に植えなおしましたが、ちゃんと元通り根付きました。
こちらに来てからは、標高が低いからでしょうか、あたりにはモミの木は見られません。
それだけが、ちょっと寂しい私です。

イギリスの古いキャロル




クリスマスは、日本では商業イベントの色合いが濃くて、私などは嫌気がさします。
というのも、私の両親は田舎では珍しい敬虔なクリスチャンで、私が子どもの頃、クリスマスを待つこの時期は、「待降節」と言って、いつもより質素な暮らしを心がけ、肉食を控え、何か一つでも自分に犠牲を課す習慣でした。
そうやってキリストの降誕を待つ約4週間を過ごすので、楽しみに待つ気持はあっても、浮かれ騒ぐという感じではありません。
そして、キリスト教に関係ない人々は、クリスマスイブの24日に大騒ぎしていますが、これも私には妙な感じがしていました。
とまあ、そんなことを言って、楽しい気分に水を注そうというのではありません。

ところでクリスマスと言えば、「ジングルベル」「諸人こぞりて」など、クリスマスを象徴する音楽が街中に流れます。
クリスマスキャロルというのは、クリスマスの時期に歌われたり演奏されたりする、歌や楽曲のことですが、イギリスに伝わる古いキャロルを、古楽器を使って演奏したアルバムがあって、この時期私はそれを愛聴しています。
とても素敵なので、皆さまにもご紹介したいと思います。
店でも時々流しています。

  「イギリスの古いキャロル」 歌と演奏 アンサンブル・エクレジア

このCDは、宗教法人「女子パウロ会」というところで出していますので、ここのWebサイトからネット購入可能です。
☆購入サイトへのリンクは<こちら> 試聴可
この他、北欧にも素敵なクリスマスの音楽が沢山あってご紹介したいのですが、それはまたべつな機会に・・・。

冬こそ会津へ

以前、会津出身の方から、「冬の会津へ、ぜひいらっしゃい。冬の会津は、またいいですよ。」と勧められたことがあります。
実際に会津に暮すようになって、初めての冬を迎えた時、その意味が分かりました。
雪とのつきあいの大変さは、地元の人なら誰でも知っていますし、私もその苦労を味わいましたから、今さら何も申しません。
それより、雪は美しいです。そして静かです。
冬の会津にいらっしゃるなら、一つだけ条件があります。
それは、時間を忘れても良いよう、準備して来ることです。
そして何も持たずにいらしてください。
一日でも、二日でも、それはもう最上の癒しを味わえるはずです。


  <お知らせ3件>

  「ハンドワーク 森の風」
 会津で暮らす仲間たちの作品展



<画像をクリックすると、拡大します。>


  ☆場所のご案内は <こちら>
  
  「高野茶屋 カフェクラブの集い」

11月25日(日) 午後2時から、終了随時
参加費 1,000円

今回は、「抽出の仕方でこんなに変わるコーヒーの味」と題して、プロとしても通用する、ペーパードリップの使いこなしを学びます。
シュトレン、ブラウニーなど、食工房こだわりの焼き菓子も召し上がっていただきます。

  「雪の日ご来店、ポイント2倍サービス!」

雪の降った日にご来店いただくと、通常お買い上げ500円毎に1点差し上げているポイントカードの点数を、2倍の250円毎に1点差し上げます。
うまくいけば、アッという間に満点になりますよ!


  本日の食工房
冷たい雨が降る中、次々とお客さまがあり、本当にありがたいことです。
昨日は、お天気が良かったのに、ご来店はお一人だけ。
こんなこともあるのですね・・・。
さて、シュトレンづくりに精力をとられ、またしてもクッキー類の棚がガラガラになってしまいました。
申しわけありませんが、年内は、全品揃うことは望み薄です。
この場を借りておわび申し上げます。